着陸時の減速

航空機が、着陸の際には車輪やフラップが下ろされ、前縁のスラットが展開し速度が落とされる。 しかし、滑走路に接地した際には、まだ 250Km/h 程度の速度になっており、とたんに減速がはじまります。 この時が、航空機が巡航中の優雅な姿から最もメカ的な姿へ変貌する時間です。
接地と同時に主翼のスポイラーが立上がり、機体を持ち上げる揚力を減らしタイヤに機体重量をかけブレーキの効きをよくします。 そして、オートブレーキが働き、パイロットがエンジン逆噴射(※1)を操作し轟音を上げながら「渾身の減速」が行われます。

※1-ジェットエンジンの逆噴射は、通常後方に噴射されている空気流の一部をエンジン内部でせき止め斜め前方に噴出させている。 プロペラ機の場合は、プロペラのピッチを変化させ逆方向の前方に空気を送るようにしている。

以下に、代表的な機種について示します。

Boeing-787-8

さすが最新鋭機だけあり、フラップも比較的シンプルで、スポイラが外側4枚、内側3枚が形状が揃えられ 綺麗に一列に配置され洗練されたイメージを受ける。

Boeing-777-300

オーソドックスな形状で、スポイラも外側5枚、内側2枚と配置され、大型機だけに大きなフラップや前縁スラットも 採用されている。 Boeing-777 の特徴的なものとしては、外側から4枚目のスポイラの立上がり角度が他のものより若干ねている。 メカ的要因とは思うが、正しい理由は不明!!

Boeing-767-300

Boeing-777同様オーソドックスな形状で、スポイラも外側4枚、内側2枚と配置され、大きなフラップや前縁スラットも 採用されている。 ただし、Boeing-777とは違い、スポイラの立上がり角度はきれいに揃えられいる。

Boeing-737-500(スーパードルフィン)

スポイラが外側4枚、内側2枚と配置され、フラップや前縁スラットと全体的にはオーソドックスな形状となっているが、 外側4枚のスポイラの立上がり角度が2枚ずつ角度が異なっている。しかし、エンジンに描かれているイルカが真っ二つ は、少しかわいそうかも!?

Airbus A320

Boeing-737同様にスポイラが外側4枚、内側2枚と配置され、フラップや前縁スラットと全体的にオーソドックスな形状と なっているが、エンジン逆噴射の際に、多くの機種ではエンジンカバーがスライドする形状が採用されているが、A-320では エンジン側面のドアが開く形状となっている。

Embraer 170

Embraer 170 も全体的にオーソドックスな形状となっており、フラップや前縁スラットと、スポイラが配置されている。 ただし、スポイラはブロックに分れずに3枚連続で配置されている。

Bombardier CRJ-200

CRJ-200 は前縁スラットがなく、4枚のスポイラも独立して配置されている。

Bombardier DHC-8-400

DHC-8-400 も、CRJ-200 同様に前縁スラットがなく、スポイラは幅の広いもの2枚が連続して配置されている。 また、プロペラ機では着陸後はプロペラピッチを変え、前進の推進力から後進の推進力へとしている。