目的空港に近づくと航空機は、巡航高度から最終進入高度などに高度を落としていくこの部分を降下(Descent)となる。
降下方式
降下には、おもに以下の方式があり、目的や状況により使い分けられています。
●速度を一定にして降下する方式
・低速降下方式
巡航時間が短く消費燃料が少ないが、降下時間が長くなる。
・経済降下方式
低速降下方式と高速降下方式の中間で、消費燃料と降下時間が最適になる。
・高速降下方式
巡航時間が長く消費燃料が多いが、降下時間は短くなる。
●降下開始点と降下目標点を結ぶ直線上(パス)に沿って降下する方式
巡航高度と降下目標点から3°の角度で伸ばした直線の交点(TOD : Top Of Descent)から
降下目標点(BOD : Bottom Of Descent)までを直線で結んだパスに沿って降下する方式。
現在ではFMSによりTOBに算出され計器に表示されるが、それ以前は「3倍の法則」と
呼ばれる計算方法により算出されていた。
降下開始点(NM) = 飛行高度(ft) / 1000 × 3
図の場合、25000 / 1000 × 3 = 75(NM) となり FMS で算出された 78.5(NM)と 3.5NM
の差のみとなる。
緊急降下
飛行機の巡航高度は1万メートル前後の高度を飛行しており機内は2000m位の気圧に与圧されています。
トラブルなどで機内の与圧を維持できなくなったり、機内減圧(decompression)が発生した場合には
与圧なしで呼吸ができる3000m程度(10000ft)まで緊急降下が開始されます。
その際には、客室には酸素マスクが下り、『ただ今、緊急降下中・タバコを消してください・マスクをつけてください・
ベルトを締めてください。ただ今、緊急降下中です。』等のプリレコーデッドアナウンスが流れ、降下角 10°、
降下率 10000ft/min 程度で一気に降下します。