上昇は、離陸の終了高度1500ft(460m)から巡航高度に達するまでをいいます。
また、巡航中に高度を変えたり、着陸復航(Go-Around)時にも、上昇のフェーズに移行します。
上昇方式
上昇には、おもに3つの方式があり、障害物、騒音問題、気象、燃費、飛行時間等の状況により使い分けられています。
例としては、騒音軽減のためより早く上昇する場合や、近くに山などの障害物がある場合、積乱雲や雷雲が 近くにある場合などがあります。
上昇時の推力
航空機は、離陸のフェーズが終了すると離陸推力(Take Off Thrust)から上昇推力(Climb Thrust)へエンジンが絞られます。 そして、上昇時の限界が、最大上昇推力(MCLT:Maximum Climb Thrust)として決められており、この範囲内でエンジンが使用されます。
上昇限度
航空機のエンジンは高度の増加とともに推力が低下するため、これに伴い上昇率も低下してしまう。 そして、ついには上昇率がゼロとなってしまう。この高度を絶対上昇限度(absolute ceiling)といいます。 しかし、絶対上昇限度は理論値で上昇するには膨大な時間がかかり、そのため上昇率が 100ft/min(30m/分) の 実用上昇限度(service ceiling)があるが、これも上昇するのに時間がかかるため、民間機では上昇率が 300ft/min(91m/分) になる高度を運用上昇限度として、上昇できる限界高度としている。
【参考】各機種の運用上昇限度
Boeing-727 --- 42,000 ft.
Boeing-737-100, -200 --- 35,000 or 37,000 ft.
Boeing-737-300, -400, -500 --- 37,000 ft.
Boeing-737-600, -700, -800, -900 --- 41,000 ft.
Boeing-747 --- 45,100 ft.
Boeing-757 --- 42,000 ft.
Boeing-767 --- 43,100 ft.
Boeing-777 --- 43,100 ft.
Boeing-787 --- 43,100 ft.